ゲーム開発の話


 絵描きの知り合いとブラウザゲーを作った。カジュアルな箱庭風パズルゲーム「Flora」です。
 
 https://riyaaaaa.github.io/Flora-web/





 ゲーム開発を完走した感想としては、会社で一緒に頑張ってくれてるチームメンバーへ圧倒的感謝という気持ちでいっぱいだ。
 ゲーム開発に必要なスキルは恐ろしく多岐に渡り、個々に非常に高い専門性が求められる。
 プログラミングしか能がない私と、ゲーム開発の経験がない絵描きの二人では、実現可能なゲームというのは非常に限られており、その有限なリソースの中で、現実的に実装可能なゲーム体験というものを選択的に決定しなくてはならない。いかに仕事で作っているゲームが才能あふれた多くの人間によって実現される高度なプロダクトであるのかを実感させられるばかりだ。


 今でこそ高品質な3Dゲームが当たり前のように市場に蔓延ってるが、それを実現するためには、実際にプロダクトのコンテンツを作っている職能だけに絞って挙げても、エンジニア、UIデザイナー、VFXアーティスト、エンバイロメントアーティスト、アニメーター、モデラーサウンドアーティスト、プランナー、シナリオライター、2Dアーティスト...... ぱっと思いつくだけでもこんなにある(漏れてたら申し訳ない、私はすべての同僚をリスペクトしています)。
 もちろんこれらの職能の中にもより細かく分野は細分化されており、例えばエンジニアに絞って挙げても、サーバーエンジニア、クライアントエンジニアはもちろん、クライアントエンジニアの中にもゲームエンジニア、グラフィックエンジニア、サウンドエンジニア、ツール/ビルドエンジニア、テクニカルアーティスト、QAエンジニア、エンジンを自作してるところならエンジンエンジニアもいる。

 そして皆が実際に手元で触っているコンテンツを作っている人間だけがゲームを作っているわけではもちろんない。プロジェクトマネージャ、QA、マーケティング、その他組織が組織であるためのありとあらゆるバックオフィスの人たち。


 ゲーム開発あまりにも難しく、そしてあまりにも尊い......


 現状商用ゲームとしてユーザーが納得できるクオリティのゲームを作るためのハードルは恐ろしく高くて、それを実現するための組織も凄まじく巨大だ。
 組織の生産性は、人数に対して簡単にスケールするわけではなく、むしろ指数関数的にコミュニケーションコストが高まってゆき、小回りが利きづらくディレクションも困難になっていく。
 もっと小さな組織でゲーム開発できたら......と思わざるを得ないほど、大きい組織特有の問題はゲーム開発の現場について回るが、それでも、むしろ、それほど困難だからこそ、目標達成のカタルシスも大きくなっていくのだと感じる。
 一方で自己表現、自己実現の面は薄めか。個人的にはゲームエンジニアの職責は、ディレクターの信ずる面白さを実現、最大化することであると思っているので、正直自我やプライドはない方が組織としてはよく回るかなと思う。ただ、こだわりはあればあるほどいい、一番しんどい時、妥協したくなる時、自身を奮い立たせてくれるのは、最後は結局ゲーム開発への熱量とこだわりだけだ。あと優しいPM笑


 

 プライベートのゲームの開発の話に戻るが、単純なゲームのコンテンツの密度や、アートのリッチさなどでは市場と勝負しようがないので、如何に「ありそうでないゲーム」、「超使いやすいUI」、「ひとつまみのエゴ」を実現するかに焦点が当たっていた。(実際にはこれらを言語化していたわけではないが、方向性はこんな感じだったと思う。ちなみに大きい組織の統率で最も重要になるのは目的の言語化です!)

 
 もともとは、絵描きの知り合いのGya氏とお絵描きチャットをしていた時に、唐突に「こんなゲームあったらおもろくない?」みたいなのをMagicalDrawのキャンバス上にGya氏が描き始め、私は「よさそうやん。作ってみるか」と回答し実際に作ったものである。ノリと流れで発生した副産物的なゲームなので、こんなカジュアルなゲームでも完成したのが奇跡のようにも感じる。
 しかもこのゲームを開発していた初期のころは、最も仕事が忙しい時期でもあり、何もない平日は毎日AM1:00~2:00まで勤務していたため、セルフモチベーティングが非常に困難であったが、開発を完全にルーティーン化することで何とか継続させることができていた。
 とにかく人間は腰を上げるのが一番大変であり、実際に手を動かすと意外とどんなことも気にならなくなるものである。そのため、ゲーム開発の初期は以下のように進めていた。


 ・作業する曜日、時間を必ず決める
 ・作業する時間になったらとりあえずどんな状況でも作業通話をはじめ、手を動かす
 ・仕事が終わってなくても作業通話はやる。ルーティーンを守る。(作業してるフリはする)

 
 これを守ってればどんな状況でも開発がとん挫することはなかった。
 相方はダメ人間なので好きなゲームが発売されると1~2週間音信不通になりやがるが、一通り満足すると何事もなかったかのように戻ってくる。これはエンターテインメントの楽しみ方、区切りのつけ方としては非常に合理的だと思っていて、なるほどとなった。真似したくないけど。てか私は会社員だから無理だが。


 ゲームの仕様を決定する上で、お絵描きチャットはもっともリモートのコミュニケーションで最適であるとも感じた。
 思考を具体的に伝えやすく、そしてFBも高速である。MagicalDrawならなんとキャンバスのスナップショットも自動でサーバー側に保存される。もしかしてこれゲーム開発用サービス?


 

 
 
 
 仕様を一通り決めたら、あとは作る。とにかく作る。そうしていくうちに、「やりたいこと」を全部組み込んでいくだけではゲーム体験に一貫性や整合性がないことが露わになっていくので、どんどん引き算していくことになる。今回の場合だと、初期コンセプトは「植物の女の子と対話しながら、要望を汲み取り、適した箱庭を作る」というコンセプトだったが、具体的に提示されないパズルパート(箱庭)のゴールの検証、照合をするために、二つの画面を行き来するというデザインがゲーム体験として成立していなかったため、「対話的要素」をかなり削り、逆に「パズル要素」をかなり強めた。また、箱庭に必要な家具は、女の子が現実時間で生成するエネルギーで買う、というクッキークリッカー的な要素も、「サクッと遊んでもらうカジュアルゲーム」としての側面と完全に対立し、序盤やることがない、という問題が発生したため、結局ゲーム開始してすぐに全ての家具を購入可能なバランスデザインになっている。結果的には、このエネルギー生成&家具購入という要素は、不要であったという結論には至るだろう。

 また、コンテンツの少なさも気になるところではある。そもそも、相方が考案したパズルっぽいゲームを作ってはいるが、私も相方も別にパズルゲームに明るいわけではないし、家具やキャラを増やせば増やすほど、「想定解」以外の解が生まれてしまう問題を孕んでおり、結果的にキャラ数2+1(特殊エンディングなしキャラ)のみとなった。少なすぎて爆笑。
 作りたいゲームは作ったわけだし、パズルのコンテンツ設計は難しく、データ入力もだるかったので、まあええか!で終わらせた。Done is better than perfect. ってマジでいい言葉だな。ザッカーバーグ、好きです。特に米社会と株主にボコボコにされて感情が虚無になっている近影が。(ゲーム開発で一番大事なのはこだわりって話はなんだったんだ?)

 バランスデザイン、コンテンツ設計って、正直こだわろうと思えば無限にこだわることができて、折り合いをつけるのが一番難しい分野だと思う。アートもそうかもしれないけれど。プログラムは、ある種の実現したい要件があって、極端な話それを満たしていればいいわけだから、割と気楽だと感じる。私も結構ソフトウェア設計にはうるさいタイプだから、プログラミングはアートだ!って人の考え方にも共感できなくはないけど。
 でも実際問題、設計がイマイチでも動いてさえいれば、ユーザーに届けたい価値というものは提供できるわけで、インフラアーキテクチャみたいなものならまだしも、ソフトウェアの設計くらいなら単なる技術的負債の一環として、のちに返済可能なんよな。(なんかいろんなところから怒られるかもしれない)
 そもそも技術的負債というのは、単なる「クソコード」を表しているだけではなくて、その時実現できない技術的要件というものを「技術の借金」をして実現した結果に過ぎない。それが工数の不足によるワークアラウンド(場当たり)的なコードなのか、単純にエンジニアの技術力の不足によるイマイチなコードの発生なのか、それはケースによるけど、一般的に黎明期の事業の実現において借金というものはつきもので、これには技術的負債も含まれる。そう考えるとなんかポジティブな感じしてくるよな。背伸びしてより大きい価値に挑戦した証拠だもん。まあ私は設計にうるさいけどな!
 
 

 また話が逸れたので、話を戻すと、バランスデザインやコンセプトも妥協したのなら、全然だめやん!って思われるかもしれないけれど、ガチでこだわったのが一個だけある。UI/UXだ。
 どんなところにこだわったの?と聞かれると、そもそも説明が必要なUI/UXというものがすでに敗北なので、触ってみてくれとか言いようがないのだが、特にパズルパートは隅から隅まで合理性を追求して設計したつもりだ。
 ソフトウェアの設計とは違って、UI/UXの設計は直に品質に出て、かつ合理的に決定できるから楽しかったな。アートの文脈とは違って、UI/UXはロジックの世界だ。考え方はどちらかというとお絵描きよりプログラミングに近いように感じる。
 もちろん、単なる見てくれの話をしているわけではなくて、機能的な合理性の話だ。UIのアート的な側面も奥が深いが、UIデザインはかなり専門性が高いので、やはり単純なアート部分の完成度は追及が難しかったが(相方が)、手触りはかなり良くできていると思っている。
 このゲームのジャンルはおそらく「ウボンゴパズル」が最も近いが、「ウボンゴパズルゲーム界」ではUI最強だと自負している。(まずウボンゴゲームパズルがこの世に何個あるんだ)

 ただ、こうしてUIを作ってみると、UIというものは本当に奥が深い。世の中の商用プロダクトのUIは、ゲームのアートから浮かないためのアートのテクニック(トンマナの決定など)や、人間心理学や色彩工学的な原則に従う「ロジックと合理性」があり、そして「ゲームの歴史的なコンテキスト」も存在する。
 合理性と単なる歴史的なコンテキストが介在しているのがよりUIという分野を複雑化させているようにも思う。結局UIというものは「操作理解のラーニングコスト」を最小化するのがミッションであり、そのミッションを最も短絡的に解決するのが、他のゲームのUI設計を踏襲することだ。これはその画面設計自体が論理的に正しいかどうかよりも強いインセンティブをゲームに与えるため、そこの折り合いが難しかったりする。
 合理性というのも、簡単なものではない。例えば「画面遷移の回数」を最小化しようと思うとホーム画面にすべての画面への導線を敷くのが最も合理的になるが、それが正しいUIだと言う人はほとんどいないだろう。
 正しいUIは、まるで手足のように無意識的に操作できるインターフェースとなっていることだとは思う。でも、UIが良い部分って、一歩引いて俯瞰的に見れる人じゃないと気づきづらいんだよね。何気なく無意識で操作できるというのは、認識の外に良さがあるということだから。一方で悪いUIとされるものはどんな人でもめっちゃ気になってしまう。減点方式みたいな感じだ。つらいな~
 そして私はUIデザイナーではないので、見えてないところにもっとたくさんのつらさがあるんだろうな。つらいな~
 ま、エンジニアにも無限につらいことはあるので、それで手打ちってことで。(何が?)



 ま、そんなわけで、個人ゲーム開発の経緯はそんな感じだ。ちなみにキャラの一人である「Mora」は、「高慢で、それでいて定命の命の儚さを尊く思っている、人間を超越した高位存在の美少女の世話係」になりたいという私の超絶歪んだ欲望を相方がキャラクターデザインに落とし込んでくれている。ありがとな。


 一応、新作も作ってはいるので、よりおもろいゲーム作りたいな~と思っているが、「約束された炎上のスケジュール(エクス・カリバー)」の兆候が仕事で見られるので、まず来年まで生存しているかどうかの方が心配だ。みんな、普段何気なく遊んでるゲームには大抵誰かの汗と血と涙が滲んでるから、大事に遊んでくれよな。



 
 

医龍という漫画は歪んだ天才を主人公とした作品として構成が最高すぎる

 皆は医龍という漫画を読んだことがあるだろうか?

 実写ドラマの方はかなり有名なので、名前だけは聞いたことがある方も多いとは思われるが、私は身の回りで原作の漫画を読んだことがある人を見かけたことはない。

 だが、私は人生を通して何度も読み返したくなる漫画として特に医龍を推しているので、致命的なネタバレを避ける形でこの作品の良さを綴りたい。
 致命的なネタバレとは、物語の核心と結末に関わるネタバレを指し、一部物語の進行について言及することは避けられないので注意すること。



 医龍は、大学付属病院において初の女性教授となる野望を秘める心臓外科医の加藤准教授が、心臓外手術として高難易度である「バチスタ手術」の論文の症例となる手術を成功させるため、過去にアフリカのNGO組織で出会った天才心臓外科医朝田ヘッドハンティングし、その朝田とリーダーとした「バチスタチーム」を結成して、「バチスタ手術」に挑む作品である。
 この作品の主なストーリーラインは、「大学病院の腐敗・改革(※フィクションです)」と「チームビルディング」だ。


 


 朝田は、過去に一度日本の大学付属病院においてその才能に嫉妬され政治的工作を受け、汚名を着せられた挙句日本の医療の世界から追い出され、その後にNGO組織に参画、アフリカで天才外科医として名を馳せた経歴がある。

 しかし、NGOでの活動を終了して日本に戻ってきたのはいいものの、政治的工作の影響で医者として就職ができず、そのまま医者への情熱を失いヒモになってしまっている。

 


 天才外科医であり、優れたリーダーの素質を持っていた彼は、加藤のヘッドハンティングを受け、加藤の論文症例のバチスタ手術のため、まずその手術を実行するためのチームを作り上げていくところから物語は始まるが、彼は組織に属する人間としては最悪であり、あまりにも強い患者の命至上主義によって、組織のルールを無視しまくり、極めて独善的に行動し、患者の治療に当たっていく。
 加藤自身が、腐敗した大学附属病院に改革をもたらすために行動しているのだが、その加藤すら無限にブチギレ続けるレベルの行動をし続け、彼は数々の患者の命を救っていくが、一方で不祥事の告発など朝田の独善的な行動によって医者を辞めざるを得ない者も少なからず発生し、組織内に過激な対立をもたらし、大学附属病院を政治的混乱に巻き込んでいく。

初っ端の手術で死亡判断を下した執刀医から患者を奪い手術を強行して早速加藤をブチギレさせている
朝田の不祥事の告発により、組織のスケープゴートにされた医者
あまりにも言葉が強すぎる

 ここでキーポイントになるのが、彼の犠牲となっていく医者たちは、多数の凡庸な医者であり、「組織に従順なだけで本質的には善良な医者」なのである。
 彼らは、この大学附属病院を治める、この物語の明確な敵ポジションである、野口現教授が構築した、組織の安定、存続を何よりも重要視する、保守的で、不祥事隠ぺい体質を持つ組織の部品に過ぎない。
 彼らは人の命を扱う医療従事者であるが、それと同時に、家族を養わなくてはいけなかったり、自身のキャリアや夢を捨てられなかったり、そんなありふれた弱い人間たちである。


 だが、そんな風に組織を破壊していく中、朝田が度々に口にする言葉が「理想のチーム」である。
 彼は患者を治療することは自分一人ではできないことを理解しており、技術・スタンス両方に優れたメンバーで構成された最高のチームでバチスタ手術に挑むために、少しずつ仲間を増やしていく。
 だが、彼は空気も読めなければ、患者の命に障る可能性があれば容赦なく実力のない医者を蹴落とすような人間。当然チーム内で対立も起こしまくりである。

 朝田の人格に惹かれた者たちもいるが、特に朝田をヘッドハンティングした加藤や、朝田が育成をしている研修医・伊集院との対立が強く、時には彼があまりにもルールを逸脱した行動をしたために、チーム全員のクビが飛びかけることすらあった。


 


 
 朝田はこの、一分一秒を争う手術中にチーム内に意見の衝突した時にも、彼にとっての「チーム」の話に言及している。


 
 


 
 彼は加藤に「あなたの言うチームとは何?」という問いに、「最後まで患者の命をあきらめないチーム」を挙げている。
 彼は物語を通して、とにかく「チーム」に対する強固な理想像を掲げ続けている。だが、その考え方は、究極的には自身の理想の医者像をチーム全員に強要している形となっている。

 もちろん、彼はどこまでも本気で、純粋で、患者の命を最優先に考えている理想の医者と言えるだろう。
 だが、リーダーとしてはどうか?

 もちろん、彼の提唱する「チーム」はあまりにも理想に近い。正しくもあるだろう。

 だが、現実問題、彼の所属した組織、および最初に結成したチームは彼にとっての理想の「医者」「チーム」から遥かに遠かったわけで、彼は患者の命を預かる身でありながら、現実と理想の折り合いをつけず、チームへの説明責任を十分に果たさず、手術の度に一分一秒を争う中、チーム間で頻繁に対立を起こし、そして更には組織に属する仲間ともいえる医者を辞職に追い込んだり、組織が立ち行かなくなるほどの政治的対立、混乱を招いている。結果論的に、ご都合主義、主人公補正ともいうべきか、やはりそこは漫画としてなんだかんだ上手くいくのだが......
 彼は「医者」としては正しても、「リーダー」としては本当に正しいのか? という疑問が発生する。

 物語内で明確に敵として描写される野口現教授は、自身の権力に固執した、隠ぺい体質の腐敗した組織の元凶として描かれるが、一方で、彼は大学附属病院を船に例え、「どんな船でも秩序を欠いて沈むよりはマシ」という論理を展開する。
 そう、朝田も野口も部分的に正しいのだ。「組織のルールを逸脱し独善的に患者の命を助ける自分勝手な医者」と「組織に圧政を強いて秩序をもたらし、常に組織が安定稼働するようにしている長」。どちらも極端であり、どちらも部分的に正しい。

 この感想は、現実の大規模な組織に属したことのある人間特有のものかもしれない。ただ、非常に朝田に反発する、物語上はどちらかというと悪役的な役割を持つ、保守的な組織人のキャラクターたちに共感してしまうこともあるのだ。朝田という人間は、組織においてあまりにも危険すぎると。


 例えば、一見リーダーとしてメンバーを導いているように見える朝田の問題として、コミュニケーションがある。管理職、マネジメント職における、部下とのコミュニケーションのアンチパターンとして、「問題志向型」がある。問題志向型とは、要するに相手の問題点を指摘するベースのコミュニケーションである。
 仮に、ミスをしてしまった部下がいるとする。その部下に、「その行動は間違いだ」「〇〇に相談すべきだった」のような、過去起きた問題や、現在抱えている問題を「指摘」するタイプのコミュニケーションである。これは一見、ビジネスや医療現場では正しいように見えるが、「チームビルディング」という観点では一般的には間違いとされる。


 


 これと相反する概念は「解決志向型」コミュニケーションであり、「〇〇するようにすればもっとよくなる」「次は〇〇さんに相談してからやってみよう」といった、「どうしたらもっとよくなるか」に着眼したコミュニケーションである。
 関係値が正しく築かれていない間では、問題を指摘するようなコミュニケーションは非常にネガティブなニュアンスになりやすく、そして「どうすべきか」が伝わらなくて、逆にミスを起こさないことに視点がいってしまい、委縮してしまうからである。
 もちろん、医療の世界では問題志向な考え方が適切なのだろう。人の命が関わっているのだから。

 ただ、チームビルディングにおける1:1のコミュニケーションでは悪手と言わざるを得ない。
 事実、物語の終盤に至るまで、彼の率いるバチスタチームは、結束の固い一枚岩のチームとはとてもではないが言える状態ではなかった。

 それでも、彼の天才的な外科医の技量と、潔白な医者としての理想的なスタンスが魅せるカリスマ性が、メンバーの意識を少しずつ改革し、多少の対立はあれど、少なくとも目の前の患者に真剣に向き合えるチームとして成長していく。

 ただし物語はこれだけでは終わらない。彼は、圧倒的カリスマとして君臨することでチームをまとめあげてきたが、それ以上でも以下でもなく、少しずつ彼のカリスマ性と外科医としての技術に依存した、朝田抜きでは決して成立しない、非常に脆いチームであることが少しずつ露呈していく。



 



 彼はそれを憂いて、意図的に「自身がこの病院を間もなく去ること」を仄めかしたり、「いきなりチームを抜けて政治的敵対勢力に肩入れする」ようになったりする。
 救いを求めて手を伸ばすひ弱な子供を突き放すがごとく所業である。



 


 
 朝田の目論見通り、チームはこのプロセスを経て、自立を果たし、メンバーが自身の問題や心の弱さと向き合い、技術だけではなく人格的にも成長していく。
 朝田のこういった「育成」の考え方である、「突き放して自立を促す」考え方は、序盤から一貫しており、特に彼が物語を通して育成し続けている研修医・伊集院は100万回くらい彼に崖に突き落とされてはよじ登ってきて、を繰り返したといっても過言ではない。

 

最序盤、救急搬送されてきた患者を研修医に丸投げする朝田


 これは全く美談ではない。伊集院が物語を通して成長できたから朝田は正しかった、という考え方は完全に生存バイアスであり、同じようなやり方が毎回通るとは到底思えない。
 確かに自立と当事者意識を育むには「信頼して任すこと」が大事だとは私も考えるが、それと突き放すことはイコールではない。

 彼はチームビルディングにしろ、後輩の育成にせよ、彼は常に最短経路で暴力的な手法で目的を達成している。

 そう、物語は全体を通して、朝田が提唱する「理想のチーム」が彼自身の手によって作られていくことが一つの物語の本筋でありながら、彼はあまりにも一人の人間として組織やチームメンバーに対して正しく向き合ってないと感じてしまう構成になっているのだ。


 この矛盾は、物語の終盤で改めて問われることになる。


 朝田があえて突き放すことで、メンバー一人一人が自立を果たしてチームとして完成し、朝田抜きで非常に高度な症例に立ち向かえるほどに成長したチームの執刀医として成長した加藤の元に朝田は現れ、「リーダーでもなければ、味方ですらないただ一人の外科医の俺はどうだった?」と加藤に問いかける。
 加藤は当然、患者の命を救うために極めて独善的に行動し、組織やチームに混乱を起こす男だと正直に回答する。もっとも、これは物語を通してずっと加藤が朝田に言い続けている苦言、お小言ではあるので、朝田も言われ慣れている......はずではあるのだが。


 


 



 この場では、彼はいつもと様子が少し違っており、まるで自身の医者としての立ち振る舞いが異常であることそのものが実はコンプレックスであったかのような態度を見せる。

 彼は、自身を客観的に捉えることが正しくできており、それでも尚物語を通してそのスタンスを崩さなかった。いや、崩せなかったとも言うべきか。

 朝田はそのあと、加藤が率いるチームを「最高のチーム」と称する。彼にとっての理想のチームが、自身が抜けたことで完成したという皮肉。

「お前たちは最高だよ」

「俺はその最高のチームのメンバーに選ばれる資格があるかな」


 


 最強の外科医でありながら、実は物語では恐るべき政治的工作の手腕すら見せつけ、何一つ欠点のない天才として描かれる彼が、最後に唯一といっていい欠点を認め、そのせいで自身は理想のチームのメンバーとしてふさわしくないと考えていることが発覚する。
 そう、彼は序盤から終盤に至るまで、ずっと「理想のチーム像」を掲げておきながら、自身は「理想のチームの一員」の資格足りえないと考えていたのだ。わかりみしかない。私も理想のゲーム開発チームを結成するとしたら、そのメンバーに自身はいない。


 

 



 差し迫った表情で加藤に迫る朝田。彼は物語で一貫して自由で余裕のある天才らしい振る舞いをしてきたが、ここで初めて他人に縋るような、自身に迷いがあるような表情を見せる。

 加藤は、思いもよらない朝田からの問いかけに困惑し、言葉に詰まるような様子を見せる。朝田を今まで執刀医として使ってきたのは、朝田の天才的な外科医の技量が目的であって、少なくとも成長を遂げた加藤の現在のチームは少なくとも直近では朝田がいなくても成立するチームではある。
 ともなれば......不穏分子たりえる朝田は......必ずしも必要な存在ではない、むしろ朝田視点からすれば、「執刀医としての技量」を抜きにしたとき、自身は単なる異常者ではあるわけで、拒絶されてもおかしくはないのだが。

「あるよ」

「人を治す、ただそれだけを、あなたが少しもブレずにやってきから、みんな道を迷わずここまで来たんだもの」

 
 



 朝田の「医者としてのスタンス」のおかげで、チームメンバーが医者として成長できたこと。朝田の外科医としての技術ではない部分が素晴らしいからこそ、チームのメンバーにふさわしいということ。
 
 それを、ずっと朝田の身勝手な行動に悩まされ、苦言を呈し続けてきた加藤の口から肯定される。



 構成がエモ過ぎんだろ......



 医龍という漫画において、「朝田という医者の在り方」に関するストーリーラインは、重要ではあるが、単なる一要素に過ぎない。
 
 医龍は25巻で完結した漫画ではあるが、メインキャラクターのほとんどが自身と向き合い、一人の人間として行動し、物語に複雑に関与してく、とてつもなく厚みがある目を見張るべき数多くの物語がその中に存在する。



 医龍を読もう。


 

英語の勉強の話その1 英語の難易度って reading < speaking < listeningだよな

 英語の勉強を始めて1年くらい経つ気がする
 なんか1年って書くとすごいやってる感が出てるが、30分の英会話を月に6~7回やるのと、海外のVTuberの配信を見たり、英語のゲームをプレイする、くらいの、あまり精神的な負担にならないものを気楽にやっているだけなので、そんなに急激に英語力が上昇しているわけではない

 英会話がギリアウトプットの場となっているが、基本的に受け身の勉強はほとんどインプットばかりなので、知識が技術として定着することはほとんどなく、あまり勉強が活かされてないことを実感している。

 なので、定期的にはてなブログに英語に関する話を投稿することにした。

 

 昔どっかで見た話で、英語力ってのはすべての要素の掛け算で決まるという理論があった。つまり、reading、speaking、listeningどれかでも0だと、英語力が0になるのだ。(ここにおけるreadingには、構文理解力とかも含まれるのだろう)
 なので、「英語で会話できる」という状態を目指すには、すべての能力値を均等に上げていかないとあまり意味がなくて、エンジニアなどはreadingは得意だけど絶望的にspeakingやlisteningをする機会が少ないので、こいつ英語のドキュメント読める割に、ぜんぜん英語喋れんやんという現象が発生する。

 readingは情報のロスがゼロなので、辞書さえあればあとは文脈と気合でどうにでもなるが、listeningは本当に難しい。「知っている文」を読まれたとしても聞き取れない。なぜなら正しい発音を知らないからだ。昔英語の教員に「ゲラァウト!」ってブチギレられたことがあるが、それがGet outだと聞き取れたのはGet outがそういう発音だと知っているから。発音が前後の単語とのつながりに大きく依存する英語では、単語単体の発音を知っていても全く意味がない。ネイティブスピーカーではない以上は、とにかくありとあらゆる頻出構文の発音を耳に慣れさせるしか、英語を聞き取る手段がないのかなと思う。そういう意味では、listeningの前提として、その英文が正しいイントネーションで発音できるspeakingの技術が必要なんだよな。結局 reading < speaking < listening の順に難しい。というか、難しいというより、学習順のような感じもする。その構文を知り、話し、そして聞けるようになる。

 英語の、「次の単語の1音目と繋げてシームレスに発音したろw」みたいな思想が非常に憎い。ネイティブスピーカー以外に排他的な発音文化をやめろ! 「アロゥ」じゃねぇよ「アットオール」って言え。日本は「文字の音」が存在するから、ハキハキと喋ることができるけど、でもそれって冷静に考えると割と不思議な現象だよなぁ。言語の発達において、文字っていうのは後天的なものだから、完全に文字と音が1対1で対応付けられるのは凄いことだ。「は」と「お/を」くらいか? 揺らぎがあるのは。 

 発音の話で思い出したけど、昔好きだった帰国子女の歌い手のnanoって人が、ボカロの歌をEnglishカバーを投稿していて、そのコメントの動画に100%「XXの発音違うんだよな~」みたいな英語力マウントニキがいた。子供心ながら「帰国子女なんだから外野がどう言おうとその発音が実際に使われてて通用してたってことだろ」って思ってたけども、今思い出してもやっぱり言いがかり過ぎるんだよな。そもそも、イギリスの英語、アメリカの英語、インドの英語でも発音は全然違ったりして、「正しい発音」みたいものは厳密には存在しないと思う。oftenだって学校ではオォフンと習うと思うけど、イギリス英語では「オフトゥン」だ。だから発音の粗探しほど非生産的なものはないと思う。

 
 今やってる英会話では、英語の記事をスクリプトなしでリスニングして、その内容を説明し、そのあと記事についてディスカッションするという本格的な授業と、まったり気楽にトピックに基づいてフリートークする授業の二つをやっている。前者はマジで難しくて、毎回自分のリスニング能力の低さに打ちのめされている。

 直近のレッスンでは、2018年の、ロシア、中国、イギリス、アメリカ、フランスが、クレムリンで「核兵器は抑止力として有効だからみんな持とうね、だけど核戦争は絶対にやっちゃだめだよ」という感じの合意に関する記事を扱った。4年前の話だがすごいタイムリーな話題。


ディスカッションの備忘録

question) China, Russia, Britain, the United States, and France have agreed that a further spread of nuclear arms and a nuclear war should be avoided. How do you think a nuclear war can be avoided (ex. banning nuclear weapons altogether, educating people about their effects)?

核戦争はどうやったら回避できると思いますか?と聞かれたのでこう回答した。

riyachang) In my idea, if all countries should succeed in banning all nuclear weapons, nuclear wars will disappear.

全ての国が同時にせーので核兵器捨てたらよいと言ったが、「同時に」というニュアンスを含めることに失敗した。at the same timeと文末に言うべきだったね。

riyachang) But it is not a possible way.

 なるほど完璧な作戦っスねーッ 不可能だという点に目をつぶればよぉ~~
 
 ちなみにこのセリフの英訳は I see. That's flawless plan... if you ignore the fact that it's impossible! らしい。flawlessはより客観的なニュアンスを含むperfect。FPSのValorantではチーム全員生存して勝つことをFlawlessと言うが、日本語ローカライズではPerfectに変えられている。英語から英語へのローカライズなのに、より親しみが強い単語に置き換えられているところにローカライズの深さを感じる。

riyachang) Because countries think their benefits are more important than the world peace. For example, it is a simple reason, to have a strong influence, they should have strong military power.

 国家は世界の平和よりも自国の利益の方が大事だと考えているから。簡単な例でいえば、強い発言力を持つには、強い軍事力を持つ必要がある。と続けた。「Country」じゃなくて「国家(Nation)」の方が正確だし、語彙力がないから雑にthink are importantを使ったけどvalue ~ overを使って、 Nation values own benefits over the world peace.(国家は平和より自国の利益を重んじる)と表現した方がオシャレだったっすね。

question) The P5 group affirmed that nuclear weapons should serve defensive purposes, deter aggression, and prevent war. Do you agree that nuclear weapons can serve these purposes? Why or why not? Discuss.

核兵器が防衛や侵略の抑止力に役立つと同意しますか? と聞かれた。

riyachang) At least, some countries such as like Russia, until they discard their nuclear weapons, possessing nuclear weapons is a valid way to prevent from their attacks.

 ロシアみたいな国が核兵器を破棄するまでは、核兵器を所有することは彼らの攻撃を防ぐのに有効な手段。微妙にニュアンスを間違えていて、「彼らが核兵器を破棄するまでは」ではなく、「彼らみたいな国が存在する限りは」と言いたかった。As long as countries such as like Russia exists~かな。As long asとか、As well asとか、As much asとか、as XX asってすっと使えるだけで表現の幅がぐっと広がるんだけど、speakingだとすんなり出てこねぇ

question) Bilateral relations between the U.S. and Moscow have fallen to their lowest point since the end of the Cold War, while relations between Washington and China are also at a low. What do you think could be the effect of this on the rest of the world? How do you think these countries could repair their relations?

 アメリカとモスクワは関係が悪いし、アメリカと中国もまた悪い。これらがどんな影響を世界に与えると思いますか? また、どうすればこれらの関係を改善することができると思いますか?

 知らねえよ!って感じだったな、後者の質問とかむず過ぎるだろ、一国民が考えることではない。まあ、回答が正しいかどうかではなくて、自分の意見を英語で話せるかどうかが大事なんでまあいいんですけどね...

riyachang) The US and China's relations are not good for the world for the first and second GDP countries too.
One of the UN's goals is making countries cooperate with each other. If the two top countries are conflicting, the US can't do anything for peace.

 なんか英文として変だな... こんなこと言ったっけ? 普通に関係代名詞を使ってUnited States and China, which have first and second GDP っていうべきっすね。UNは国際連合のことで(先生に教えてもらった)、国際連合の目的は国家間の協力を実現することだが、トップ2の国が衝突していたら国際連合は何もできない。と言った。日本語なら「トップ2の国が衝突していたらお話にならない」っていうだろうけど、この「お話にならない」ってところのニュアンスがハイコンテクストで難しいな。軽く調べた感じ、absurd(不合理、ばかげている)、out of the question.(不可能、問題外)あたりがニュアンスに近い感じがする。

riyachang) If such a way exists, such wars wouldn't happen.
I think if citizens make good relationships all over the world by the Internet, I think the government or countries' leaders can't ignore their emotions or opinion because at least those countries adopt democracy.

 
 (国家間の関係の改善について)そんな方法あったら戦争は起こらないと言った。だがそれだと議論が終了してしまうので、インターネットで国境を越えて国民が仲良くなれば、国のリーダーは彼らの感情や意見を無視できないだろう、それらの国が民主主義国家である限りは。と意見をひねり出した。まあロシアは国民の感情を無視して戦争してますけどね。後から気づいたけど、「異なる国同士の国民が仲良くなる」というニュアンスが含まれてない感じがしますね。all over the worldじゃなくてacross national bordersっていうべきだった。overとacrossとbeyondの違いがよくわからんかったけども、acrossには平らな面における境界のニュアンスが含まれていて、beyondにはoverよりもよりダイナミックに「越える」ニュアンスがあるらしい。するとacross national borderって西洋的な表現やな。だって日本は島国だからそもそも国境とかないしな。over seaっすね。海を越えて仲良くする。実際、外国人ってforeignerってよく使うけど、ニュージーランドの知り合いはoverseasって言ってた。島国マインドを感じましたね。

 この辺で。一発目からボリュームがでかくなってしまった。継続的にやるためには一回の重みをもう少し減らさなくちゃ。

2021年を振り返る

 一人暮らしをしていると、年越しはいつもふと気が付いたときに終わっていて、PCの日時表示を見て年が変わったことを実感するだけ。
 今回もスカイリムをしていたら気がついたら24時20分くらいだった。

 2022年の誕生日をもって、私は26歳、つまり20代後半に突入する。
 これくらいの年齢になると、同年代の知り合いとの話題はおおむね「結婚」の話題になる。「結婚してぇ~(何も行動はしない)」みたいな管巻きを繰り返し、なんとなく周囲と同調する。
 確かに、身の回りにはぽつぽつと結婚する存在が増えてきて(私の兄もそうだ)、なんとなく幸せそうに見える。
 そういったものに漠然とした憧れをもっているのは確かだが、実際現実的な問題として、結婚には大きな痛みを伴う。可処分所得は大きく減り、生活習慣を捻じ曲げ、自分だけの時間というものが希薄になる。
 そういった現実を直視したとき、本当に結婚したいのか、と自問自答すると、意外とそうでもない気はしてくる。一人暮らしの生活は、孤独だが、豊かで、何よりも自由だ。
 絶対値的な感覚でいえば、現状でも幸福だ。だが、残念ながら幸せは相対的な価値に左右されると考えている。
 極端な例だが、今は不景気で、物価や税負担は上がり続けているのにも関わらず平均所得は変わっていない、貧しい時代とされている。不幸と感じている人間も少なくないだろう。
 とはいっても、当然今はエンターテインメントは飽和していて、金がなくても一生の時間を費やしても終わらないほどの多くの娯楽が誰にだって提供されている。
 昭和時代、大正時代と遡っていったとき、間違いなくそれらの時代に生きている人たちよりも充実な人生を人々は送れていると思う。にも拘わらず、不幸と感じる人たちが絶えないのは、自分よりも幸福な人間が多く存在するからだ。
 結婚も間違いなくその一例で、一人で生きていても特に支障はない人間であっても、周囲が結婚し、幸せそうに家内の話をするたびに、私たちは相対的に不幸になる。ルサンチマン的な思考で最悪だが、事実の一端だ。

 ちなみに2022年の結婚に関する抱負は特にない。まだ慌てるような時間じゃない(スラムダンク仙道)。
 一応友人と婚活PTに出てみるか、みたいな話題を口にしたことはあるが、ほとんどの婚活PTの前提条件に「身長170cm以上」があって、まず婚活の入口のフィルターではじかれてしまったので、すべてをあきらめた。(身長161㎝)


 ここからは、なんか2021年の出来事や思ったことを、時系列を無視して雑に書き連ねていく。

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 最近目にした面白話題として、Vチューバーのぺこーらがクリスマスに配信をしなかったことで、多くのオタクが阿鼻叫喚になってたらしい。
 「チキンが冷めちゃった」「ぺこーらがクリスマスを俺らと過ごすことを選んでくれなったことが、ただ悲しい」みたいな多くの名言が排出されていた。
 わざわざケーキやチキンを用意して配信を待っていた者たちに強く同情するが、自らの人生の価値を、他人に置く生き方は大変そうだなと思った。ぺこーらが配信してくれるかどうかなんて、自分では一切関与することができないのに...
 私のTwitterのフォロワーも、投げ銭しまくっていた女性Vチューバーが、ほかの男性Vチューバーとくっついた、みたいな事件を受け非常に強いショックを受けていた。それと直接的な関係があるかどうかはしらないが、時折強い自殺願望をツイートを繰り返し、そしてある日突然アカウントを消して消滅した。彼は生きているだろうか。
 私も結構Vチューバーに限らないが配信を見るのは好きで、サブディスプレイで垂れ流し、みたいなのはよくやる。応援したいと思った時にはたまに投げ銭もするし、彼/彼女らの活動をこっそり応援している。ただ、人生は自分だけのものだ。彼/彼女らも自分の好きなように配信すればいいと思うし、好きな人ができたら付き合えばいいと思うし、つらいと思ったならやめればいいと思う。ただそれだけだ。

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 一時期、VALORANTをプレイした時期があった。もともとは見る専で、その高い競技性から、ルールやキャラ性能をざっくり把握しているだけで、エアプでも非常にエキサイティングに大会を楽しめるVALORANTは、よい暇つぶしであった。
 ただ少しだけ自分でも遊んでみたくなり、ちょうど同時期に始めた知り合いを巻き込んで数か月ほどプレイしていた。
 ある日、ソロでランクマッチを遊んでいたとき、使いたいキャラがピックされてしまったため、あまり慣れていないキャラを選択してプレイした。立ち回りやエイムに避ける思考リソースが減り、そして味方に暴言を吐かれ、何もかもうまくいかず、ひどいKDで終わってしまった。
 一般に、暴言を吐かれた人間はパフォーマンスが大きく下がるという。その例に漏れず、結果的にKD0.2くらいでその試合を終えた。
 爆破系5on5のゲームでは、トキシックなプレイヤーと遭遇することは、そんなに珍しいことではないし、運が悪かったなあと感じていた。チャットではなくVCで暴言吐かれたのは初めてだったが。
 何なら、時にはVCをつないでいた知り合いが野良とゲーム内VCでガチ喧嘩を始めることもあった。

 それから少し経って、インターネットの調子が悪く、数週間まともにFPSがプレイできない時期があった。そんな中、ふと冷静になってみると、VALORANTをプレイしてきて、トータルで不快な気持ちの方が勝っていることに気が付いた。
 これは、私が普段身を置いている環境との強いギャップが原因だと思う。ソフトウェア開発の世界では、Googleが提唱したチーム開発の鉄則として以下のものがある。

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか | Brian W. Fitzpatrick, Ben Collins-Sussman, 及川 卓也, 角 征典 |本 | 通販 | Amazon

 謙虚(Humility) 世界の中心は君ではない。君は全知全能ではないし、絶対に正しいわけでもない。常に自分を改善していこう。
 尊敬(Respect)一緒に働く人のことを心から思いやろう。相手を1人の人間として扱い、その能力や功績を高く評価しよう。
 信頼(Trust) 自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じよう。そうすれば、仕事を任せることができる。

 これ、VALORANTでも全く同じことが言えると思うのだが、当然、普通の人間はまずこの「チーム開発の鉄則」という概念に触れることはないし、実践する機会もない。
 私の会社では、この原則を守れない人間はどんなに有能であろうとすべからく排除されるので、逆に言えば、このHRTの3原則が全く備わってない人間と「チームを組む」という行為があまりにも精神的な負担になっていることが分かった。
 私は、良いチームというものに慣れすぎた。この原則と対極的な思考を持つ爆破系FPSプレイヤーとは、相容れない存在なのだろう。
 私はVALORANT見る専に戻ることにした。それが、もっとも精神衛生的に良いと思うから。

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 2021年2月に一戸建てを買ったが、驚くほど生活が何も変わっていない。
 部屋の数は増えたが、一つの部屋自体の大きさはさほど変わらないし、基本デスクで座って仕事をしているか、ゲームをしているかなので、家全体を活用する機会があまりない。
 なんなら、風呂やトイレのために階段を上り下りする苦労が増えただけだ。ガレージでBBQをしてる時だけ、家を買ったメリットを感じる。
 あとは猫か。まだ子猫で、なんにでも興味を持つし、なんでもやらかすので気苦労が絶えない。子育てか?
 今までヘビや魚しか飼ってこなかったから気にならなかったが、自分と同じ哺乳類であるはずの猫が、ありえんくらいアホな行動をとると、ちょっと笑ってしまう。言い方が悪いが、人間とそれ以外の生き物の知能の差を実感する。目の前のコンピューターを見て、人間のポテンシャルのヤバさを再認識するのだ。神が居たら、地球にこんな高度な文明を持つ生物が誕生することに驚いてるんじゃないか? 人間的な感覚でいえば、猫がいきなりガウス積分を解き始めるような衝撃だろ。

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 最近株取引に結構ハマっている。超素人だが、一種のマネーゲームと割り切って、なんとなく取引して楽しんでいる。意外と、株価が上がったり下がったりを確認するイベントが1日に追加されるだけで、何となく日常が充実しているように感じるのだ。
 私は細かい数字はわからないので、単純移動平均のグラフをざっくりみて、長期的に上がっていて、短期的に下がっていれば買う、そして上がったら売る。それを繰り返すことしかしていないが。PERってなんやねん。
 それでも、そこそこプラスにはなった。もちろん、現在保有している株で含み損が結構あるものもあるが、基本的に大企業の株しか買ってないので、長い目で見れば、また上がる期待値や、配当金、株主優待などを考えると、含み損自体はそんなに損にはならない、はずだし。(知らんけど)
 でも会社からRSUでもらった自社株が暴落しまくっているので、そのせいでトータルではめちゃくちゃ損をしている。もともとぼたもち的な株だけども。

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 FF14 6.0 暁月のフィナーレが出た。ちょうどさっきメインストーリーが終わった。内容については差し控えるけど、話のスケールがでかくなって宇宙に舞台が移る作品見るたびに「実質グレンラガンじゃん...」ってなるのやめたい。
 FF14については、4.4あたりから始めたけど、絶コンテンツ二つクリアしたのもあって、自分の中では一区切りついている。相当楽しませてくれたのもあるし、これからも応援しているから、プレイ権は買い続けると思うけど、ストーリー追っかける以外のことはもうやらないと思う。
 FF14は本当にライト向けMMOとしては完成されていると思っていて、コンテンツの規模もコミュニティのでかさも最高峰。これを超えるMMOは二度と出ないんじゃないかってくらい。
 でも、個人的には、FF14ハクスラではないので、根源的に私がMMOに求めるゲーム体験が存在しないんだよね。FF14の世界観、キャラクター達、関わってきたコミュニティすべてが好きだったけど、ゲーム性そのものについては最後まで少し不満だったかもしれない。
 高難易度レイドではヒーラーをやっていたけど、クリアまでは滅茶苦茶ヒーラーの負担でかくて、周回では速度出すためにヒーラーなのにヒールを極限まで減らして殴る回数増やすっていうゲームデザインも割と微妙だと思っていたw

 次なる国産MMOとしては、ブループロトコルに期待しているんだけど、マジであのゲームいつリリースされるの?

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 仕事に関しては守秘義務に気を遣いつつ様々なコンテキストを排除して話すのが面倒くさいので何も書くことがない。
 ただお手伝いしていたプロジェクトがリリースされずポシャった事件があって、一時期気を病んでいたころがあった。

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 2021年、月に6、7回英会話レッスンをやるのを何とか続けられた。
 我ながら偉いと思っているが、一向に「何となく雰囲気で英語を理解している状態」から全く脱却できる気配がない。
 英語をババーーっと聞いたとき、センテンスそのものを逐次理解しているわけではなくて、耳に入ってくる聞き取り可能な単語や言い回しをとにかくかき集めて、全体の文脈を考慮して40-60%ほどの情報量から、全体の内容を推測する、みたいなリスニングしかできない。
 もしかして私センスない? 少なくとも、もっと勉強時間を確保すべきなのは間違いないのだが、工学や数学の勉強と違って、リスニングの練習は古代MMOのレベリングみたいな辛さがあるのよな(しかも、レベルが目に見えない)。単語の意味を覚えたりするのはわかりやすくマイルストーンがおけるけど、結局日常的に使わないから1か月で忘れるっていう問題がある。。。難しいな、言語学習。
 でも、英語のドキュメントは結構すらすら読めるようになってきたから、何とかよかった。

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 ソースは忘れたけど、友達いない奴の特徴として、「知り合いと友達の境界線を気にする」という主張があって、ドストレートに私の心にぶっ刺さって致命傷を受けた。
 似たような話題として、誕生日プレゼントをあげる/あげないって難しいよな、って思う。
 前提として知り合い全員に誕生日プレゼントを配っていたらキリがないけど、じゃあ誕生日をあげる/あげないの境界線を知り合いの中に引く行為ってめっちゃ嫌じゃないか?
 あるいは、別にそれほど仲良くないけど社交辞令として仕方なく誕生日プレゼントあげるか、みたいなものとか。
 私は基本的に他人が自分に何かをしてくれることを期待していないし、そういった葛藤を与えることは本意ではないので、基本的に他人に誕生日プレゼントを要求することは一切ない。
 でもそれが典型的な友達いない奴の思考回路なんだろうなとか思った。友達多いやつはそういう人間関係上のしがらみを呼吸のようにこなすんやろな。

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 普段普通に配信しているVチューバーが、唐突にDLSiteにエロ同人音声を販売して荒稼ぎをしてるのを見て、バーチャル風俗じゃん...って思った。
 配信で友人のような距離感を与えつつ、音声作品で性欲を突いてくるの、ガチャ並みに人間の脆弱性をついた商売だと思った。すごいっすね、令和。


 書くことがなくなった。2022年も頑張って生きたい。

猫飼育における初期費用まとめ

知人から保護した猫を引き取った。
二十歳くらいのときに、広いマンションで猫を暮らすことが人生のゴールだなと漠然と考えていたので、ゴールを迎えたことになる。
あとはゆっくり終わりに向かっていくだけである。


ところで、猫を飼いたい人間が周りにいっぱいいるので、どの程度初期費用がかかるのか、なんとなく需要がある気がしたのでまとめる

バズってたツイートに「里親募集をしていたら老夫婦がお金がないので無料で譲ってほしいといわれたが、丁重にお断りした」というものがあった。
実際その通りで、ペットを飼うというのは非常に金がかかるので、ある程度の貯金と生涯猫を養っていく覚悟が必要だなという印象を受けた。

というか、ペットショップで純血種を買おうとするとそれだけで30万~50万かかることに衝撃を受けた。

ちなみにお金ないけどペットは飼いたいという方にはヘビをお勧めします。初期費用、維持費用ともにほとんどかかりません。

設備、消耗品リスト

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トイレ。普通に便利で使いやすい。ちなみに、砂がすべてを吸収して砂ごと処分するタイプのトイレと、液体は通過してうんちだけ回収する、シートが必要なタイプのトイレの二種類があるらしい。これは後者。
¥ 2,607

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トイレシート。尿は砂を貫通するのでそれを受け止めるシート。一週間に一度程度交換する。
¥ 2,350

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うんち袋。意外と大事。
¥ 2,650

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猫砂。一袋で一か月もつらしいが、うんちを回収するときに雑にスコップですくってたら2週間でなくなった。
¥ 1,497

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ごはんの皿。ぶっちゃけなんでもいいと思う。
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ブラシ。後から聞くに、ファーミネーターというブランドが有名らしく、そっちを買っておけばよかったと少し後悔している。
これはあんまり毛がとれないけど、換毛期じゃないからなのか、このブラシが低スペックだからなのかがいまいちわからない。
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つめとぎ。正直ただの段ボールにしか見えないのだが、猫のなにかしらの本能をくすぐるようで、何もしつけなくても勝手にこれで爪を研ぎだした。
¥ 1,720

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キャリーケース。これがなくては病院にも連れていくことができない。
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ふわふわクッション。ただしうちの猫は全く気に入らないようで、抱っこして上にのっけても速攻で脱走する。仕方なく私が昼寝するのに使っている。
¥ 2,000

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爪がするどいと肌を破壊されるのでこまめに切ろう。うとうとしてるときにさっと手早く行うと平穏に終わる。
¥ 1,476

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無駄に高性能な水飲み器。フィルターがついているので、ある程度清潔。
¥ 2,980

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ちゅーる。悪魔のおやつ。これを与えると猫は狂ったように喜び、どんなに怒らせてしまってもすべて水に流してくれる。
¥ 1,680

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ねこじゃらし。星形のアクセサリーがついているのだが、それが鋭利な形をしていて危ないと感じた。それだけ切り取って処分した。
猫の興味を引くようにねこじゃらしを動かすのはなかなか技術がいるようで、修行の毎日である。
¥ 1,598

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ごはん。恐ろしいほど安く、大丈夫なのか?と心配になるが、一応食べてくれる。ドライフードは最悪置きっぱなしにしてもいいので、日中や出かけるときなどに多めに置いておく、ということができて便利。
¥ 719

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ウェットフード。少しお高いやつ。毎朝一回だけ与えるのだが、うちの猫は大層気に入っていて、起床して猫にあいさつすると激しくにゃーにゃーと鳴いて要求してくる。薬を混ぜても完食率100%。安いフードだけだとかわいそうなので、こういうお高めのごはんをあげるのも飼い主の務めかな、と思っている。
¥ 1,889

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うちの猫は噛み癖がひどく、手が穴だらけになるので、かわりに嚙んでもらうための棒。一応効果はあったが、結局最近は飼い主の手のほうが噛み応えがあるようで、結局毎日噛みつかれている。
¥ 1,099

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コードカバー。猫はめちゃくちゃコードを噛むので、こういったケアがないと大変。
¥ 1,400

楽天ビック|ソニー SONY フルワイヤレスイヤホン WF-XB700 BZ ブラック [マイク対応 /ワイヤレス(左右分離) /Bluetooth] 通販

ワイヤレスイヤホン。いやこれは猫関係ないだろ、と言われるかもしれないが、普段使っているイヤホンで全く問題なかったのに、有線だと猫にめちゃくちゃ狙われるので仕方なく買ったのだから、これも猫のための費用の一つである。
¥ 13,132

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ブラッシング用のドライシャンプー。猫はありえないほどシャンプーを嫌がるので、普段の手入れはこれ。
¥ 2,970

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シャンプー。月に一回くらいする予定。猫は水を怖がるが、飼い主はそれ以上に猫の抵抗が怖い。
¥494


ここまでで47388円(内、ワイヤレスイヤホンが13132)。

医療費

次に病院の費用。ペットショップから購入する場合、健康が保証されていると思うので、この費用はかからないかもしれない。
うちの猫は野良出身なので、必ず最初に病院に連れて行って検査をする必要がある。案の定、寄生虫に感染していた。

(猫を保護した知人が行った診察)
診察0回目 ノミ、ダニ駆虫薬
¥3,000

診察1回目 検便、初診料、寄生虫駆虫薬
¥6,160

診察2回目 検便
¥2750

診察3回目 抗生物質寄生虫駆虫薬
¥ 5250


また、最低でも通院があと1回、ワクチン接種が4回、避妊手術が1回あるので、これの数倍はまだ医療費がかかる見込み。
最終的にはトータルで4万前後になると思われる。

また、猫ちゃんの移動にはストレスをさけるためすべてタクシーを使っているため、そちらの交通費もなかなかバカにはならない。

すべてこみこみで、仮に無料で猫を引き取っても、トータル10万円程度の初期費用がかかる。

猫を幸せにするためにも貯金はしっかり確保してから飼育しよう。

おわり。

近況、家を買った話など

 人生は爆速で過ぎて行き、気づいたら今月で20代の折り返し地点となる25歳になった。

 私は小学生の時からメイプルストーリーをはじめとするいくつかのオンラインゲームをやっていたし、社会に出たのも20歳だったので、学校以外で身の回りの人間が年上というのは自身にとっての当たり前だった。
しかしこの頃、会社には次々と年下の新入社員が入社してくるし、FF14のレイド攻略の固定メンバーは年下ばかりだ。否応がなく、自分がもう最若年齢気取りではいられないことを実感させられる。

 社会に出た当時は、2~3年おきに転職を繰り返し、やりたいことをやりまくる刹那的な人生を送るんだと漠然と考えていたが、蓋を開けてみれば大企業に根を張ってのんびり生きている。
 収入は安定しているし、仕事は忙しすぎることもなく、プライベートではゲームであったり読書であったり、好きな時間を十分に過ごすことができているので、特に現状に不満がない。向こう数年は転職することもないだろう。
 C++とかいう古の言語で仕事をしているせいで、新鮮な技術に触れる機会が少なく、20代というもっともインプットを大事にすべき時間を棒に振っているきらいはあって、多少の危機感を感じなくはないが......まあ会社員として生きてればそういうこともあるだろうを割り切って生きている。
 ある種の意識高い系の界隈からは軽蔑されるような生き方かもしれない。


 ところで、最近よくゲームプログラマーは労働量の割に給料が安いみたいなツイートをよく見かける。
 これはコンシューマーの世界の話だと思っていて、Webベンチャーの派生であるソーシャルゲーム業界では、あまりそのような傾向はない。AppStoreランキングの上位常連の企業はすべからく社員に適切な給料を払っているだろう。一般的に揶揄されるメテオフォール開発が行われている現場も滅多に見ない。忙しいところは忙しいが、プロジェクトマネジメントの努力は最低限なされていると思う。
 
 だが世間的にもソシャゲはゲームじゃねえ!という声も少なからずあり、それなら我々はゲームプログラマーの定義に当てはまらないのかもしれない。悲しいことだ。
 ガチャが非常に頻繁に批判に晒されているのを見るとやるせない気持ちになる。我々開発者だって、別に集金だけがしたいわけではなくて、価値のあるものを提供したいという思いでゲームを作っている。
 ただ、日本のゲーム業界のビジネスモデルとして、もっともガチャというシステムが優れているだけだ。感情よりもビジネスが大事にされる場面なんて、世界のいたるところに溢れているというのに。

 もちろん、コンシューマーでも大きく成功し続けている企業はある。
 ただ、現在、ユーザーがゲームに求めるクオリティは高くなりすぎて、ゲームの開発規模は際限なく肥大化していく。一本のゲームを作るために何十億の開発費やマーケティング費がかかっている。
 しかしゲームそのものの値段は今も昔も変わらず、6000~8000円程度だ。

 もはやコンシューマーのゲーム業界は巨大な資本を持つ企業しか参入することができないだろう。それを是としたのは、ソーシャルゲームを「低クオリティ」「クソゲー」と揶揄するメンタリティに他ならないと思う。

 
 もちろん、大企業ではない会社がリリースしていて、成功したコンシューマーゲームもある、最近だと、サクナヒメが挙げられるだろう。
 ただそのサクセスストーリーの裏には、代表が借金をしながら開発をしたり、パブリッシャーを外部に置き販売権を譲渡するなど、多大な苦労が見え隠れする。

 それでも尚サクナヒメは無事リリースされ、ヒットした。本当に泣ける話だ。そしてやるせなさも感じる。きっとこのような成功の陰では、開発が断念されたもの、リリースしたがヒットしなかったもの、多くのゲームクリエイターの悲鳴が多くあるのだろう。
 
 まあ、そういったリスクを背負うことが出来ず、会社員に甘んじている私がこんな話をするのは、卑怯なのだろうが......


 さて、去年の秋ごろ、リモートワークの影響で会社から徒歩圏内のマンションに高い金を払って住む理由がなくなり、引越しを決意した。
 次に住む家はペットがOKなところが良いと考えていた。家に時間がいる増え、ペット的な存在が恋しくなったからだ。ただ、都内でペットOKのマンションというのはかなり敷居が高く、絶望的だった。
 そのため、安定志向に心変わりした背景もあり、一戸建てを購入することにした。



 周りの人間は「家を買う」という字面に面を喰らっていたが、実は家を買うというのはそんなにハードルの高いものではない。
 私は不動産投資家ではないので自分の発言に一切の責任は持てないが、都内で家やマンションを買うことは、高い賃貸に住み続けるよりよっぽど建設的だ。(ギャグではない)
 ワンルームマンションみたいなところで安い家賃で暮らすことが苦にならないのであれば、家なんか買う必要は一切ないと思うが、家賃に10万円とか払うくらいなら、家を買った方がいいと思う。
 都内ないしその近辺では住宅の需要は非常に高く、築20~30年の一戸建てでも、新築一戸建てより多少安いくらいでしかなく、有事の際の売却を視野に入れることも可能だ。20年後単位になってくると日本がどうなっているかわからないけれど。
(ちなみに田舎の中古の一軒家の需要はゴミらしい。少子化が進めば尚更だろう。)

 更に、現在は低金利時代と呼ばれていて、恐ろしいほど住宅ローンの金利が安い。
 また、新築一戸建ての住宅ローンを組んだ場合、10年間税金控除が受けられる。その金額は借入残高の1%で、最大年間40万。これは固定資産税を考慮しても余りある莫大な金額だ。
 つまり最大4000万円の家まで控除を受けることができ、その場合35年ローンを組んだとしても返済額は月に10万円ほどにしかならない。そして、10年後には木造住宅の固定資産価値はほぼゼロになるので土地のみの固定資産税になっているためそれほどの負担にはならないはず。

 つまり、家を買うということは、賃貸よりも安い家賃で広い家に住むことが出来、税金控除を受け、そして最終的に資産が残るというメリットを享受できるということだ。
 賃貸のメリットとしては、天災などのリスクがない、引越しを繰り返せば常に新しい住居に住むことができる、転勤や転職などに対応できる、あるいはワンルームマンションなどで極限までコストを削減できる、固定資産税を払わなくてよい、などがあるだろうか。


 ちなみに、家の値段は3680万円で、もろもろの諸費用を合わせて3900万ほどになった。私は優良な不動産屋を選んだため、仲介手数料がかかってないが、実際には仲介手数料の相場となる「家の価格3%+6万円」である120万円がこの上に乗ることになる。
 不動産屋選びは慎重にした方がいい、たいていの大手はこの「家の価格3%+6万円」という決して少なくない金額を請求してくるためだ。
 そして、一度物件を内覧するときに仲介してもらった不動産屋を後から変えることはできない。これは暗黙の了解的な問題のようだ。すべての不動産屋は共通の物件のデータベースの閲覧権限をもっており、物件の仲介自体はどんな物件でもすべての不動産屋で可能なので、物件よりも先に不動産屋を選ぶべきだとは思う。

 自己資金は私は400万ほど用意したが、これが十分かは本人の社会的信用による。銀行は一般に自己資金が少ない顧客は信用してくれないため、スムーズに住宅ローンを借り入れるためには、ある程度の自己資金が必要だ。
 ちなみに、私は「独身」「持病もち」「勤続年数が数年」という役満が揃っていたので借入で死ぬほど苦労した。どれくらい苦労したのかというと、銀行7社くらいと交渉した。特に持病の問題が深刻で、銀行の審査が下りても、団体信用生命保険と呼ばれる保険会社の審査が通らないことが多々あった。かなり絶望的な状態であったが、不動産屋の努力の甲斐あって無事に現在は借入に成功している。


 まあ、別に私は不動産購入を布教したいわけではないのでこの辺りにしておく。各々好きな人生を生きたらよいと思う。 


 かくして、私は、持ち家を獲得し、新たな人生のスタートを切った。
 これからは積み立てNISAや、ふるさと納税個人年金保険など、非常にリスクの低い投資や、税金対策などを行いつつ、独身生活を満喫していく予定である。こういった資産運用については、またそのうち別途記事を立てたい。
 積み立てNISAはコロナウィルスパンデミックの影響で、世界的に株価が下落した影響でめっちゃリターンが増えた。なぜ株価が下落したのにリターンが増えたのかというと、毎月同じ金額投資しているため、株価が下落すると買える量が増えるからだ。そして、人類が滅びない限り、経済は発展し続けるため、インデックスファンドのような商品に対して投資している場合、かならず評価価値は上がっていくためだ。

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 これは私のNISAの保有商品一覧だが、商品によっては30%増えている。適当にファンドを選んで一定金額クレカから引き落とされているだけなのに、金が増えていく様は感動すら覚える。


 あとは結婚さえすれば人生のゴールともいえるのだが、残念ながらその予定は全くない。
 タイムイズマネーの原則に従えば、恋愛は恐ろしいほどハイリスクだ。空から美少女が落ちてくることを願うしかない。
 
 
 2021年も良い年でありますように。

蛇を飼い始めて1年余りが経った

皆さん蛇を飼っていますか?
蛇は令和で今最も注目されているペットです。ソースはありません。

蛇を飼っていると話すとギョっとされることが多々あるのですが、ほ乳類よりもよっぽど扱いやすく、初心者向けのペットだと思います。
もちろん種類によって様々ですが、私の飼っているコーンスネークを例に挙げると、以下の特徴が挙げられます。

・エサ代が安い(月五百~千円程度
成体だと週一ペースでしかご飯を食べないので、月に4匹マウスを与えるだけです。マウスは冷凍のものをアマズゥーンで買うことができます。

・静か
基本的にとぐろを巻いてじっとしています。声帯もないので声を発しません。

・世話が楽
キッチンペーパーをしいたケージで飼育し、フンが生じたらキッチンペーパーを取り換えるだけです。
温度管理はコーンスネークは意外と適当でよく、全身漬かれる水場をおいておけば、冬場だけケージの半分にパネルヒーターがあたるように設置するだけで、あとは勝手に体温調整してくれます。

・かわいい
かわいいです。


たまに勘違いされるのですが

>生きてる餌しか食べないんじゃないの?
カエルやカメレオンなどは一部そういう種類が要るみたいですが、ヘビは生餌しか食べないみたいな話は聞いたことないです。

>噛みついてこない?
コーンスネークは非常に大人しい子が多いです。

>湿度・温度管理大変なんじゃないの?
一部爬虫類は厳密な管理がいるそうですが、コーンスネークは適当で大丈夫です。



購入直後のヘビ
年齢はべビー~ヤングくらいな感じです

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かわいいね


これは最初のえさやりです
かなり苦戦してますね、今ではエサを与えたら1秒で喰いつくんですけどね

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これはヘビのあくびです
性格には「あご直し」と呼ばれるもので、ご飯のあととかにたまにやってます
一回生で見てみたいと思っていたので、撮影できたときは歓喜でしたね

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これはある日家に帰ったらヘビがえらいことになってたという動画です
呑気に動画撮ってる場合か!って感じですが、シェルターの重さごときで死ぬようなヤワな体ではないです むしろ今では私がヘビを首に巻いたりして遊んでるとそのまま絞殺されそうになるくらいなんですよね

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これは奇跡の一枚ですね ヘビが人間の手の上でこんなに大人しくなるなんてほぼないです
多分使い捨ての手袋をつけているのが大きいんでしょうね 熱をもった巨大な手というものはヘビにとっては危険因子ですから。 でもバカだから手袋つけただけで熱を感じなくなって床にいるような気持ちになっているんじゃないですかね

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ヘビは懐くの?ということをたまに聞かれますが、人に慣れることはあっても懐くことはないと思います。結局ヘビにとって人間というのは強大で危険な存在ですから、対等な関係になることは難しいでしょうね
「虫は人間に懐くか?」という問いにはほとんどの人がNoと答えるでしょう。多分ヘビは知能のレベルがほ乳類と虫どっち寄りかと言われれば、多分虫寄りなんですよね

とはいえ、たまにこうやって袖になかにもぐりこんで落ち着いてる姿を見たりすると、ヘビがまるで懐いているかのような気持ちになってうれしくなっちゃうわけですね

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これはヘビの水飲みです ヘビだってもちろん水を飲みますよ かわいいね

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ヘビがある程度大きくなってからはファジーマウスをあげるようにしました
ファジーはまあ毛が生えたばかりの若い個体くらいな感じですかね

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ところでうちのヘビには名前はないんですが、普通ペットには名前をつけるでしょみたいなことをよく言われます
でもヘビには耳はないんですよね 体全体で振動を感じる機能はあるのですが、それが人間の定義する「音」と同義なのはよくわかっていません
当然ヘビは自分の名前を識別することはできないので、名前をつけることに一切の合理性を見いだせないんですが、マジョリティの人々はそれでも名前をつけるみたいですね やっぱ皆お気に入りの家電とかにも名前をつけるのかな


コーンスネークは10年近く生きるので、私が30代のおっさんになっても隣にいてくれるわけです 健やかに生きろよな


おわり