近況、家を買った話など

 人生は爆速で過ぎて行き、気づいたら今月で20代の折り返し地点となる25歳になった。

 私は小学生の時からメイプルストーリーをはじめとするいくつかのオンラインゲームをやっていたし、社会に出たのも20歳だったので、学校以外で身の回りの人間が年上というのは自身にとっての当たり前だった。
しかしこの頃、会社には次々と年下の新入社員が入社してくるし、FF14のレイド攻略の固定メンバーは年下ばかりだ。否応がなく、自分がもう最若年齢気取りではいられないことを実感させられる。

 社会に出た当時は、2~3年おきに転職を繰り返し、やりたいことをやりまくる刹那的な人生を送るんだと漠然と考えていたが、蓋を開けてみれば大企業に根を張ってのんびり生きている。
 収入は安定しているし、仕事は忙しすぎることもなく、プライベートではゲームであったり読書であったり、好きな時間を十分に過ごすことができているので、特に現状に不満がない。向こう数年は転職することもないだろう。
 C++とかいう古の言語で仕事をしているせいで、新鮮な技術に触れる機会が少なく、20代というもっともインプットを大事にすべき時間を棒に振っているきらいはあって、多少の危機感を感じなくはないが......まあ会社員として生きてればそういうこともあるだろうを割り切って生きている。
 ある種の意識高い系の界隈からは軽蔑されるような生き方かもしれない。


 ところで、最近よくゲームプログラマーは労働量の割に給料が安いみたいなツイートをよく見かける。
 これはコンシューマーの世界の話だと思っていて、Webベンチャーの派生であるソーシャルゲーム業界では、あまりそのような傾向はない。AppStoreランキングの上位常連の企業はすべからく社員に適切な給料を払っているだろう。一般的に揶揄されるメテオフォール開発が行われている現場も滅多に見ない。忙しいところは忙しいが、プロジェクトマネジメントの努力は最低限なされていると思う。
 
 だが世間的にもソシャゲはゲームじゃねえ!という声も少なからずあり、それなら我々はゲームプログラマーの定義に当てはまらないのかもしれない。悲しいことだ。
 ガチャが非常に頻繁に批判に晒されているのを見るとやるせない気持ちになる。我々開発者だって、別に集金だけがしたいわけではなくて、価値のあるものを提供したいという思いでゲームを作っている。
 ただ、日本のゲーム業界のビジネスモデルとして、もっともガチャというシステムが優れているだけだ。感情よりもビジネスが大事にされる場面なんて、世界のいたるところに溢れているというのに。

 もちろん、コンシューマーでも大きく成功し続けている企業はある。
 ただ、現在、ユーザーがゲームに求めるクオリティは高くなりすぎて、ゲームの開発規模は際限なく肥大化していく。一本のゲームを作るために何十億の開発費やマーケティング費がかかっている。
 しかしゲームそのものの値段は今も昔も変わらず、6000~8000円程度だ。

 もはやコンシューマーのゲーム業界は巨大な資本を持つ企業しか参入することができないだろう。それを是としたのは、ソーシャルゲームを「低クオリティ」「クソゲー」と揶揄するメンタリティに他ならないと思う。

 
 もちろん、大企業ではない会社がリリースしていて、成功したコンシューマーゲームもある、最近だと、サクナヒメが挙げられるだろう。
 ただそのサクセスストーリーの裏には、代表が借金をしながら開発をしたり、パブリッシャーを外部に置き販売権を譲渡するなど、多大な苦労が見え隠れする。

 それでも尚サクナヒメは無事リリースされ、ヒットした。本当に泣ける話だ。そしてやるせなさも感じる。きっとこのような成功の陰では、開発が断念されたもの、リリースしたがヒットしなかったもの、多くのゲームクリエイターの悲鳴が多くあるのだろう。
 
 まあ、そういったリスクを背負うことが出来ず、会社員に甘んじている私がこんな話をするのは、卑怯なのだろうが......


 さて、去年の秋ごろ、リモートワークの影響で会社から徒歩圏内のマンションに高い金を払って住む理由がなくなり、引越しを決意した。
 次に住む家はペットがOKなところが良いと考えていた。家に時間がいる増え、ペット的な存在が恋しくなったからだ。ただ、都内でペットOKのマンションというのはかなり敷居が高く、絶望的だった。
 そのため、安定志向に心変わりした背景もあり、一戸建てを購入することにした。



 周りの人間は「家を買う」という字面に面を喰らっていたが、実は家を買うというのはそんなにハードルの高いものではない。
 私は不動産投資家ではないので自分の発言に一切の責任は持てないが、都内で家やマンションを買うことは、高い賃貸に住み続けるよりよっぽど建設的だ。(ギャグではない)
 ワンルームマンションみたいなところで安い家賃で暮らすことが苦にならないのであれば、家なんか買う必要は一切ないと思うが、家賃に10万円とか払うくらいなら、家を買った方がいいと思う。
 都内ないしその近辺では住宅の需要は非常に高く、築20~30年の一戸建てでも、新築一戸建てより多少安いくらいでしかなく、有事の際の売却を視野に入れることも可能だ。20年後単位になってくると日本がどうなっているかわからないけれど。
(ちなみに田舎の中古の一軒家の需要はゴミらしい。少子化が進めば尚更だろう。)

 更に、現在は低金利時代と呼ばれていて、恐ろしいほど住宅ローンの金利が安い。
 また、新築一戸建ての住宅ローンを組んだ場合、10年間税金控除が受けられる。その金額は借入残高の1%で、最大年間40万。これは固定資産税を考慮しても余りある莫大な金額だ。
 つまり最大4000万円の家まで控除を受けることができ、その場合35年ローンを組んだとしても返済額は月に10万円ほどにしかならない。そして、10年後には木造住宅の固定資産価値はほぼゼロになるので土地のみの固定資産税になっているためそれほどの負担にはならないはず。

 つまり、家を買うということは、賃貸よりも安い家賃で広い家に住むことが出来、税金控除を受け、そして最終的に資産が残るというメリットを享受できるということだ。
 賃貸のメリットとしては、天災などのリスクがない、引越しを繰り返せば常に新しい住居に住むことができる、転勤や転職などに対応できる、あるいはワンルームマンションなどで極限までコストを削減できる、固定資産税を払わなくてよい、などがあるだろうか。


 ちなみに、家の値段は3680万円で、もろもろの諸費用を合わせて3900万ほどになった。私は優良な不動産屋を選んだため、仲介手数料がかかってないが、実際には仲介手数料の相場となる「家の価格3%+6万円」である120万円がこの上に乗ることになる。
 不動産屋選びは慎重にした方がいい、たいていの大手はこの「家の価格3%+6万円」という決して少なくない金額を請求してくるためだ。
 そして、一度物件を内覧するときに仲介してもらった不動産屋を後から変えることはできない。これは暗黙の了解的な問題のようだ。すべての不動産屋は共通の物件のデータベースの閲覧権限をもっており、物件の仲介自体はどんな物件でもすべての不動産屋で可能なので、物件よりも先に不動産屋を選ぶべきだとは思う。

 自己資金は私は400万ほど用意したが、これが十分かは本人の社会的信用による。銀行は一般に自己資金が少ない顧客は信用してくれないため、スムーズに住宅ローンを借り入れるためには、ある程度の自己資金が必要だ。
 ちなみに、私は「独身」「持病もち」「勤続年数が数年」という役満が揃っていたので借入で死ぬほど苦労した。どれくらい苦労したのかというと、銀行7社くらいと交渉した。特に持病の問題が深刻で、銀行の審査が下りても、団体信用生命保険と呼ばれる保険会社の審査が通らないことが多々あった。かなり絶望的な状態であったが、不動産屋の努力の甲斐あって無事に現在は借入に成功している。


 まあ、別に私は不動産購入を布教したいわけではないのでこの辺りにしておく。各々好きな人生を生きたらよいと思う。 


 かくして、私は、持ち家を獲得し、新たな人生のスタートを切った。
 これからは積み立てNISAや、ふるさと納税個人年金保険など、非常にリスクの低い投資や、税金対策などを行いつつ、独身生活を満喫していく予定である。こういった資産運用については、またそのうち別途記事を立てたい。
 積み立てNISAはコロナウィルスパンデミックの影響で、世界的に株価が下落した影響でめっちゃリターンが増えた。なぜ株価が下落したのにリターンが増えたのかというと、毎月同じ金額投資しているため、株価が下落すると買える量が増えるからだ。そして、人類が滅びない限り、経済は発展し続けるため、インデックスファンドのような商品に対して投資している場合、かならず評価価値は上がっていくためだ。

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 これは私のNISAの保有商品一覧だが、商品によっては30%増えている。適当にファンドを選んで一定金額クレカから引き落とされているだけなのに、金が増えていく様は感動すら覚える。


 あとは結婚さえすれば人生のゴールともいえるのだが、残念ながらその予定は全くない。
 タイムイズマネーの原則に従えば、恋愛は恐ろしいほどハイリスクだ。空から美少女が落ちてくることを願うしかない。
 
 
 2021年も良い年でありますように。